性格分析の活用法とは?人事戦略の基礎と企業事例も
採用や人事戦略の現場で、近年ますます注目を集めているのが「性格分析」です。
採用活動では、年齢やスキルといった基本情報だけでなく、個人の行動パターンや意思決定に大きく関わる「性格」を理解することは、組織の生産性向上や人材育成に欠かせない要素となっています。
とはいえ、実際に性格分析を導入しようとする人事担当者や経営者の中には、以下の疑問を持つ方も多いのではないでしょうか?
- 性格分析が具体的にどんなメリットをもたらすのか分からない
- 社内のメンバーにどうやって性格分析を実施すればよいのか知りたい
当記事では、性格分析の基本的な考え方から、採用や人事戦略で活用するメリット、具体的な実施方法まで、HRTechを提供して多くの企業の性格分析を支援してきた『ミツカリ』が解説します。
目次
「性格」はその人物を表す最も基本的な要素
人に関するデータには年齢や性別、学歴などさまざまな種類がありますが、その中でも特に注目されているのが心理的要素の「性格」です。
性格は個人の行動や意思決定、価値観に大きな影響を与えるため、ビジネスの現場でも非常に重要視されています。
近年ではAIを活用したHRテクノロジーの発展により、性格分析が企業にも広がり、働き方の改善や採用活動の精度向上など、企業の生産性アップにつながっています。
その結果、ピープルアナリティクスなど人に関するデータ分析手法と組み合わせて、性格分析は人事戦略や人材開発、経営における人的資本の管理に欠かせない手法となっています。
「性格分析」と「人物分析」の違い
「性格分析」は主に心理学的な枠組みを用いて個人の内面特性を定量的に評価する手法です。
一方で「人物分析」はより広い意味で、その人の性格だけでなく経験、スキル、行動特性や価値観も含めて多面的にその人物像を理解しようとするアプローチです。
人事領域では両者を組み合わせて活用し、単なる性格傾向だけでなく、実際の行動パターンや仕事での成果につながる要素も捉えることが重要です。
「性格分析」の歴史とビッグファイブ理論
個人個人の違いを説明するために、1890年代から心理学において「性格研究」にいち早く取り組み、ビッグファイブ理論などが生まれました。
ビッグファイブ理論はアメリカの心理学者であり、オレゴン大学の名誉教授であるルイス・R・ゴールドバーグ氏が提唱した「人の性格は5つに分類でき、5つの要素から構成されている」という理論です。
ビッグファイブ理論では、以下の5つの要素を使って人の特徴を説明します。
- 開放性(Openness to new experience) ー 知的好奇心や、新しい経験への興味の高さなどを表します。
- 勤勉性 (Contiensiousness) ー 感情をコントロールする力や、業務への責任感の強さなどを表します。
- 外向性(Extraversion) ー どれだけ社交性か、活発さなどを表します。
- 調和性(Agreeableness) ー 他社へのどれだけ協力的で、思いやりをもっているかを表します。
- 神経症傾向(Neuroticism) ー ストレスに強いか、情緒の安定性を表します。
ビッグファイブ理論を使った性格検査では、5つの分類上それぞれの数値を測定し、人の性格を描写します。
ビッグファイブによる性格分類は一つのカテゴリーに性格を当てはめる従来の手法(あなたは開放性な性格です、勤勉性な性格ですと一言で表す)とは異なり、より詳細かつ正確な特性を示すことが可能です。
現在、ビッグ・ファイブ理論に基づくデータは、様々な言語や文化を超えて膨大な量があり、その普遍性も実証されてきています。ビッグファイブ理論は「たった5つ」という分かりやすい数字と、それぞれの英語の頭文字をとって『OCEAN』とも呼ばれています。
心理学の諸分野である産業・組織心理学を中心に、ビッグ・ファイブ理論から仕事のパフォーマンスや健康状態などの実際の行動を予測できることを示す実証研究が数多く報告されています。
これらの実証研究を経て、性格分析を組織経営や人材開発において性格分析の価値を示し、それがピープルアナリティクスやHRテクノロジーへの発展に繋がりました。
この背景から、ビッグファイブ理論をはじめとする性格分析は、学問的な分野だけでなく、広範な分野で業務に応用され、その実用性がますます評価されています。
個人の性質から採用マッチングの時代へ
ビッグ・ファイブ理論をはじめとする性格分析は、組織の人事戦略や人材開発において有用なツールとなっています。
例えば、ビッグファイブ理論は採用活動で活用され、採用候補者の性格や特性に基づいて、自社の社風や部署のメンバーと相性の良い人材を選定することができます。
さらに、採用候補者の性格・特性と、自社で活躍している人材の性格・特性を比較して、入社後のパフォーマンス予測や相性の良いメンターの先輩をつけるなどの人材開発にも活用されています。
近年の心理学や経営学の研究では、人と組織のマッチングに焦点が当てられるようになりました。個人の性格特性と業務内容の相性が、その人のパフォーマンスや収入に影響する傾向にあります。
そのため、性格分析は単に個人の性格・特性を知るだけでなく、その人が「どのような仕事に向いている性格なのか」を見極める重要な手段として活用される時代になっています。
性格分析を人事戦略でどう活かすか
性格分析は、ただ単に個人の性格を理解するだけでなく、人事戦略において以下のような形で具体的に役立てることができます。
1. 適材適所の人材配置
性格分析により、個々の性格傾向や強みを把握することで、その人が最も活躍できる職務や役割を見極められます。例えば、社交的で外向性の高い人は営業職に、慎重で計画的な人は管理業務に配置するなど、パフォーマンスを最大化する配置が可能です。
2. 採用の精度向上
応募者の性格特性を理解することで、自社の社風やチームとのマッチング度を客観的に判断でき、採用ミスマッチのリスクを減らせます。早期離職の抑制にもつながり、結果として採用コストの削減と組織の安定化に貢献します。
3. チームビルディングの強化
チーム内のメンバーそれぞれの性格特性を把握し、相互理解を深めることでコミュニケーションが円滑になり、役割分担の最適化が図れます。これによりチームの生産性や士気が向上し、組織全体のパフォーマンスアップが期待できます。
4. 人材育成・キャリア開発の支援
個人の性格から強みと課題を明確にし、それに合わせた育成プログラムやメンタリングを提供することで、効果的な人材育成が可能となります。特にリーダーシップ育成や後継者計画においては、性格分析が重要な指標となります。
5. 組織全体の戦略的意思決定
性格分析の結果を組織レベルで「見える化」し、ピープルアナリティクスと連携させることで、組織の課題や強みを把握。人事異動や組織改編などの重要な意思決定を科学的に支援します。
ピープルアナリティクスで性格分析の価値を引き立てる
HRテクノロジーの進化により、性格適性検査もいまでは「自動化」「いつでも・どこでも化」「見える化」「モデル化の機能」により個人の性格を効率的に測定し、組織との適合性を評価するプロセスが迅速化されています。
「性格適性検査の効果的なプロセス」と「ピープルアナリティクス」を組み合わせることで、採用プロセスの中で個人の性格特性を的確に把握し、適材適所のポジションに人材を配置することが可能となります。
自社で挑戦的なプロジェクトが予定されている場合、冒険心旺盛で柔軟性のある性格を持つ従業員が特定できチームを構築することで、プロジェクトの成功に寄与する可能性が高まります。
さらに「見える化」によって、性格分析の結果が分かりやすく提示され、組織全体での戦略的な意思決定がサポートされます。
「性格分析」と「ピープルアナリティクス」を組み合わせることにより、人材管理の重要なツールとして活用され、会社の成長やプロジェクトの成功につながります。
性格分析にも活用できるHRTechツール『ミツカリ適性検査』

ここまで人材の採用、育成などの人事戦略は「性格分析」を行うことで、適切に行うことが可能になるとお伝えしました。
とはいえ、いきなり従業員や採用候補者の性格分析をはじめようと思っても、どこに注目して分析すべきかがわからないという人事担当者は多いと思います。
「ミツカリ」では、適性検査とエンゲージメントサーベイを用いて採用候補者や既存社員一人ひとりの性格や相性を可視化するHRTechサービスを提供しています。主な機能を以下に紹介します。
専門家監修のもと開発
社会心理学の権威であるカリフォルニア大学のキャメロン・アンダーソン教授と、AI技術に詳しい京都大学大学院の田島敬史教授に監修を頂いて開発しました。
ビッグファイブなどの社会心理学と、相性の診断にはAIが活用されているため、精度の高い結果を抽出することが可能です。
72問約10分で受検可能
質問を5択で直感的に回答できる適性検査のため、72問を約10分で受検できます。PC、スマホ、タブレットで受検できるので、場所や時間を問わず受検可能です。
受検者の性格・価値観を可視化

受検者の回答結果をもとに、性格・価値観を可視化できます。上記は「仕事に関する傾向」ですが、他にも「行動」や「意思決定」など6つの傾向を可視化できるため、一人ひとりの性格分析に活用できます。
会社や部署との相性を数値化

採用候補者と既存の従業員に受検いただくことで、会社の社風、部署やメンバーとの相性を数値で可視化できます。採用での判断材料にはもちろん、入社後にどのメンバーをメンターにつけるかなどで活用されています。
コミュニケーションのタイプも確認可能

ソーシャルスタイル理論を用いたコミュニケーションのタイプも確認できるため、内定者への口説きや既存従業員へのコミュニケーション改善に活用も可能です。
他にも性格分析に活用できる機能を多数用意していますので、気になる方は資料やサービスページをご覧ください。
現在、無料トライアルも実施中ですので、気になる方は以下のサービスサイトなどをご覧ください。
性格分析を人事戦略に取り入れている企業の事例
ここでは「ミツカリ」を活用して性格分析を行い、採用や人事配置が成功した企業の事例を2つ紹介します。
株式会社間渕商店様
酒類・食品販売、外食、不動産などの事業を展開する株式会社間渕商店様の事例です。「課題」「ミツカリ導入の理由」「結果」にわけて具体的に紹介します。
課題
従業員の性格・価値観を理解しながら、どこを伸ばしていくべきかを大事にしています。しかし、店舗の店長がスタッフを指導するときに、経験や勘でコミュニケーションなどを取っていたため、店舗ごとに指導方法にバラつきがありました。
ミツカリ導入の理由
- 一人ひとりの性格や価値観を把握できる
- 性格だけでなくコミュニケーションの取り方など一歩踏み込んだところを分析できる
- メンバーとの相性を数値で確認できる
結果
従業員の性格・価値観を分析した結果を、人材育成やコミュニケーションの取り方に活用できています。幹部社員には性格・価値観での違いや行動の差を説明し、一人ひとりに合った指導や人材育成ができるように説明もしています。
結果として、従業員同士の良いところを見るようになっただけでなく、あまり得意でない部分はお互いサポートし合う関係性を構築できるようになっています。
株式会社ウィルグループ様
業務請負、人材紹介などの人材サービス事業をメインに展開する株式会社ウィルグループ様の事例です。「課題」「ミツカリ導入の理由」「結果」にわけて具体的に紹介します。
課題
いままで、採用や人材配置は勘と経験を研ぎ澄まして行っていました。しかし、従業員が1,000名以上になってくると、いままと同じやり方では人材の適材適所は難しいと感じ始めました。
そこでピープルアナリティクスを本格的に推し進め、人材の性格データを採用・配属などに活かしていくことになりました。
ミツカリ導入の理由
- データを簡易に取得できる割に項目が多く分析に適していると感じた
- 性格データを用いたピープルアナリティクスをつくるのに適している
結果
従来の採用活動・配属での活躍者の割合は30%程度でしたが、ミツカリの性格データをもとに採用を行ったことで55%(約2倍)になるまで精度を高めることができています。
活躍者をモデル化するだけでなく、本部から支店への配属時の上司と部下の関係性を見るなど、ミツカリの性格データの活用が社内で広まっています。
性格分析を取り入れて適切な人事戦略を!
今回は「性格分析」に焦点をあてて、性格分析の始まりと現在、人事戦略に活用するメリット解説などをしました。
近年、人材と組織のマッチングを重視する企業や、適材適所の人材配置などにチカラを入れる企業が増えている傾向にあるため、採用候補者や既存従業員の性格・価値観を把握することが重要視されています。
性格を分析することで、その人材に適した業務の割り振りや配属先を決めることができるので、離職率の改善や生産性の向上など組織改善にもつながります。
また、性格分析の応用において、ピープルアナリティクスやHRテクノロジーは強力な手助けになります。人事戦略に課題を抱えている企業は、ツールなどを導入して性格分析を取り入れてみると良いでしょう。
弊社「ミツカリ」は、適性検査とエンゲージメントサーベイを用いて一人ひとりの性格や相性を理解・分析し、個と組織の力を最大化するHR Techサービスを提供しています。
10分程度の適性検査を採用候補者や既存の従業員に受検いただくことで、個人や組織における32項目の性格・価値観を可視化し、会社や部署との相性が数値で表示されます。
一般社団法人ピープルアナリティクス&HRテクノロジー協会が毎年実施しているDIGITAL HR COMPETITIONでは、ミツカリが2020年HRテクノロジーソリューション部門(テクノロジー・ツール提供部門)のファイナリストに選定されました。
また、『ミツカリ』を活用したソフトバンク株式会社の取り組み事例が2020年のピープルアナリティクス部門(データ活用実践部門)においてグランプリを受賞、株式会社ウィルグループの取り組み事例が2022年ピープルアナリティクス部門においてファイナリストに選定されています。『ミツカリ』を用いて性格分析ができるだけでなく、実際の企業活動においても成果を発揮し、第三者機関からの評価を頂いています。
無料トライアルも実施中ですので、採用活動や人材配置で性格適性検査を取り入れたいと考えている方は、この機会にぜひお試しください。

ミツカリ
会社や組織のミスマッチを予測し、早期離職を未然に防ぐ
5,000社が導入し、326,000人が受検した適性検査。応募者の人物像、社風との相性がひと目で分かり、多くの企業で離職率が改善されています。採用面接だけでなく、内定者フォローや採用要件定義など、様々な人事業務でミツカリが活用されています。
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