中途採用で質の高い母集団形成を!7つの手法とよくある課題とは
中途採用の成功は、どれだけ自社のニーズに合った応募者を集められるか、つまり「母集団形成」の質と量によって大きく左右されます。
しかし、以下の悩みを抱える人事担当者や経営者は多いのではないでしょうか?
- 欠員が出たタイミングで必要な人材が集まらない
- 中途で応募はあるものの、自社が求めるスキルや人柄の応募者が少ない
- 中途採用で効率よく母集団形成を行う方法を知りたい
本記事では、中途採用に特化した母集団形成のポイントや具体的な手法、よくある課題とその対策を、HRtechツールを提供して採用課題を解決してきた『ミツカリ』が紹介します。
中途採用での母集団形成のコツをつかみたい方はぜひご覧ください。
目次
中途採用における母集団形成とは?
母集団形成とは、自社の採用ターゲットに合う応募者や興味を持つ人材を集める活動を指します。
ただ数を集めるだけでなく、応募者の「質」を確保することが極めて重要です。
中途採用では、即戦力となるスキルや経験はもちろん、社風やチームとの相性を考慮した「質」の高い母集団形成が求められます。
働き手の減少により中途採用も母集団形成が重要
数年前は求人媒体やハローワークに求人を出せば、応募者が集まるような時代でした。
しかし、近年は少子高齢化による働き手の減少などによって、求人を掲載しても応募者が集まりにくくなっています。
帝国データバンクの調査によると、従業員が不足している企業の割合は増加傾向にあり、正社員は2024年1月時点で52.6%と過半数の企業で人手不足となっています。

さらに厚生労働省のデーターによると、2070年には総人口が9,000万人を割り込み、高齢化率は38%台の水準になると推計されています。
働き手である生産年齢人口(15歳~64歳)で見ていくと、2040年に6,213万人だった人口が、2070年には4,535万人に減少していることがわかります。

人口の減少背景も踏まえ、実際に有効求人倍率も1.29倍(令和5年7月時点)と、倍率が1.0以上を推移しています。

日本では2012年以前は買い手市場で、企業側が有利な時期が続きました。当時は求人を出せば求職者が集まったため、母集団形成の必要はありませんでした。
しかし、現在は少子高齢化による働き手の減少、働き方改革、イノベーションの進化による新たな人材確保、売り手市場などによって、採用市場が激化しています。
自社が求める人物像にマッチした人材を確保する方法として、母集団形成が重要視されています。
【中途採用】母集団形成を成功させるポイント
中途採用の母集団形成を成功させるために、意識すべきポイントを3つ紹介します。
欠員が発生したタイミングで迅速に動く
中途採用は計画的に行う新卒採用とは異なり「欠員が出てから必要な人材を集める」「新規事業の立ち上げで新たに人材を確保する」ケースがほとんどです。
そのため、人材が必要になった際は求めるスキルや経験、価値観を明確にしたうえで、スピーディーに母集団形成を行うことが重要です。
採用ターゲットを具体的に設定する
中途採用は「誰でもよい」ではなく、「募集ポジションの専門スキル・経験を持つ人」や「組織風土にマッチする人」「プロジェクトマネージャー経験がある」など、採用ターゲットの設定が成功の鍵となります。
ターゲットが明確になると、適切な求人媒体や手法を選択でき、効率よく母集団形成を行うことが可能です。
"質"を高めるために適性検査などを活用する
中途採用では、面接だけで判断しづらい性格や価値観のマッチングを測るために、適性検査を取り入れる企業も増えています。
導入する適性検査によっては、性格・価値観をもとに「社風や配属部署のメンバーとの相性」や「コミュニケーションのスタイル」などを分析することも可能です。
相性を可視化する適性検査を導入することで、採用の段階で「質」の高い候補者を見極め、入社後のミスマッチを防ぎやすくなります。
中途採用で効果的な母集団形成の手法7選
ここでは、中途採用で母集団形成を行う手法を7つと、各メリット・デメリットを解説します。
求人媒体・転職サイト
求職者の登録が多い転職サイトに求人を掲載することも、中途採用の母集団形成を行ううえで有効です。
中途であれば「リクナビネクスト」「doda」「マイナビ転職」「ビズリーチ」などがあります。
dodaは若手の20代~30代が多め、ビズリーチはハイクラス層や40代以上登録者も多いなど、各媒体で利用者も異なるので、採用したい人材をもとに掲載するサイトを決めましょう。
メリット
- 利用者が多く母集団形成の「数」を集めやすい
- 会社の雰囲気や業務内容を詳細に伝えられる
- 地域問わず募集をかけられる
デメリット
- 採用に至らなくても掲載コストがかかる
- 求職者は募集内容をもとに応募を判断するので、自社が求める人物(質)からの応募が必ずあるとは限らない
人材紹介会社・ヘッドハンター
自社が求める人物像を人材紹介会社やヘッドハンターに伝えて、条件に合致した人材を紹介してもらう手法です。
求人内容を非公開にして人材を探せるため、他社に知られたくない幹部候補や新規プロジェクトの募集にも向いています。
自社の採用ターゲットに合う求職者を紹介してもらえるため「ミスマッチを防ぎたい」「質の高い母集団形成を行いたい」会社にはぴったりといえるでしょう。
メリット
- 採用ターゲット(質)に合う人材を紹介してもらえるのでミスマッチ防止につながりやすい
- 採用担当者の選考工数を削減できる
- 成果報酬型のエージェントもあるため初期費用が掛からない
デメリット
- 採用コストが他の手法と比べると高額になりがち(採用者の年収30%など)
- 採用ターゲット、自社の魅力を明確に伝えないと、異なる人材を紹介されることがある
- 条件によっては希望する人材が見つからない可能性もある
ダイレクトリクルーティング
ダイレクトリクルーティングは、企業が求職者にアプローチしながら採用活動を実施することを指します。馴染み深いものだと、求人媒体の「スカウト」がダイレクトリクルーティングにあてはまります。
ダイレクトリクルーティングを行うと、自社で母集団形成をコントロールすることができます。
自社が求めるスキル・能力をもった求職者に直接アプローチできるので、母集団を形成できるうえに質も担保できます。
メリット
- 自社社が定める採用ターゲットに直接アプローチできる
- ターゲットを絞って活動できるので採用コストの削減につながりやすい
デメリット
- スカウトメール作成や求職者とのやり取りで工数が増加する
- 求職者から必ず返信が来るわけではないので、施策が無駄になることがある
SNS
自社が求める人材をターゲットにして、SNSで情報を発信して母集団形成を行う手法です。「採用マーケティング」と称してSNSを使う企業も増えています。
採用活動に使われているSNSは「X(旧Twitter)」「Facebook」「TikTok」「LinkedIn」などさまざまです。
利用する年齢層も異なるので、採用ターゲットに合致する層が多いSNSで発信すると良いでしょう。
SNSは無料で情報発信ができるので採用コストがかからないうえに、転職検討中の潜在層にもアプローチできるため、母集団形成にも有効といえるでしょう。
メリット
- 自社の魅力をダイレクトに伝えられる
- 情報掲載のコストを抑えられる
- フラットに求職者と接点がもてる
デメリット
- 更新し続ける必要があり、効果もすぐには出ない
- 何気なく投稿した内容でも炎上する可能性がある
リファラル採用(友人紹介)
リファラル採用は従業員が自ら、友人や知人に自社への入社を勧める手法です。
すでに働いている従業員が友人や知人に、社内のリアルな情報を伝えて選考・内定につながるため、ミスマッチが起きにくいというメリットがあります。
リファラル採用で入社した人材が出た場合は、紹介者と新入社員にインセンティブを設けると、より母集団形成につながる可能性が高いです。
メリット
- コストをかけずに人材の採用、母集団形成が可能
- ミスマッチが起きにくいため、定着率の向上が見込める
- 従業員自身が自社を紹介してくれるため人事の負担を軽減できる
デメリット
- 従業員のエンゲージメント(自社への愛着)が低いと紹介が集まらない
- 従業員のエンゲージメントを事前に高める施策が必要
自社採用サイトの強化
自社の採用サイトは、採用候補者が「応募するかどうか」を決める重要な判断材料です。
単なる募集要項を掲載するだけでなく「社員インタビュー」や「1日の業務の流れ」「数字でわかる○○(社名)」「福利厚生」など、コンテンツを充実させることで、採用候補者の理解・共感を集められます。
また、採用サイトを作り込むことで検索結果やSNSでの露出も増やしやすくなるため、潜在的な求職者にも情報を届けることが可能です。
メリット
- 自社の魅力を自由にアピールできる
- 採用ブランディングの強化につながる
- SNSや検索結果と連動させやすく、長期的な母集団形成が可能
デメリット
- コンテンツ制作や更新に時間とコストがかかる
- 即効性が低く、中長期的な運用が必要
- 採用サイトへの導線を確立しないと母集団形成につながらない可能性がある
タレントプールの活用
過去に応募してくれた候補者や、イベントや面談で接点を持った潜在的な人材をデータベース化し、再アプローチする方法です。
当時はタイミングが合わなかった候補者でも、スキルや経験が成長している場合があるため、声をかけることで効率的に質の高い母集団を形成できます。
採用管理システムやスプレッドシートで管理し、定期的に情報更新やコンタクトを行うと効果的です。
メリット
- 一度接点を持っているため、関係構築がしやすい
- 採用コストを抑えつつ質の高い候補者を獲得できる
- 自社に興味を持ったことがあるため、応募転換率が高い傾向
デメリット
- データの管理・更新に工数がかかる
- 過去の辞退理由や選考結果によっては再応募が難しい場合がある
- 運用ルールを明確にしないと、候補者へのアプローチタイミングを逃す可能性がある
中途採用の母集団形成でよくある課題と対策
「中途採用の母集団形成は難しい」と感じている人事担当者や経営者も多いと思います。
ここでは、中途作用の母集団形成でよくある課題や対策方法を3つ解説します。
【課題】求める人物像以外の応募が多い
求人などに「求める人物像」の説明がなかったり、抽象的であったりする場合に起きやすい課題です。
求める人物像以外からの応募が多いと、選考にかけるコストの増加が考えられます。
ツールなどでスクリーニングを自動化できている企業ならまだしも、採用担当者が手動で行っている場合は工数がかかります。
また、求める人物像でない人を採用すると、社風やメンバーとの相性があわず早期離職にもつながります。
対策:求める人物像の明確化・説明
対策は求める人物像の要件を明確にして、求人票や説明会で具体的に説明しましょう。
当たり前のように思えますが、求める人物像も「前向きな人が多いよね」ではなく、性格適性検査などの客観的なデータを活用すると良いでしょう。
「どんな性格・価値観の人が多い」か、「部署ごとの特性」などを可視化して社内で言語化してみると確実です。
求める人物像を明確にすることで、求職者が企業との適合性を判断する「セルフスクリーニング効果」が期待できます。
また、セルフスクリーニングを行うことで、「一度心に決めたことや実行したいことに、矛盾のない行動を行う」人間心理である「コミットメントと一貫性の心理」が働くことも期待できます。
求職者が自ら「会社に合っていそうだ」「働きたい」と思うことで、入社意欲の向上も期待できます。
【課題】同じ手法で母集団形成を行っている
採用に関わる人事担当者は採用活動だけでなく、他にも働き方改革や社内環境の整備など、業務は多岐にわたります。
業務負担の軽減のために「今までもこの手法で集められたから」と同じ手法を行いがちです。
求職者の価値観は年代によって変わることはもちろん、大手求人サイトなどは他社と差別化を図るために、求職者の集め方を変更している可能性もあります。
そのため、求職者のニーズや属性が変わることも十分にあるため、前回の採用で成功した手法が、次の年で成功するとは限りません。
対策:ニーズに適した手法を選択する
求人媒体や人材紹介業を手がける各社では、毎年様々な調査を行っています。
同じ調査内容でも、年ごとに結果が変わることもあるため、定期的に情報収集を行い求職者ニーズを把握しましょう。
求人サイトを使用した場合も「昨年と比べて今年はどのような求職者が集まっているのか」を面接担当者に確認することも効果的です。
求職者の傾向がつかめれば、求める人物像に従って、アプローチ方法や求人に記載するメッセージのヒントを得られます。
【課題】人材紹介会社からの紹介者に問題がある
人材紹介会社は自社の仕事内容だけでなく、求める人物像やニーズについても詳細に理解したうえでマッチしている人材を紹介してくれます。
しかし、紹介者と実際に会ってみると「人材紹介の担当者から聞いていたイメージと違う」「求める人物像にほど遠い」などが起こりえます。
対策:認識の齟齬をなくす
求める人物像を明確に人材紹介会社に伝えましょう。
例えば「明るく主体的な人を紹介してほしい」だけでは、何をもって「明るいのか」「主体的なのか」の基準は人によって異なります。
主体的は「積極的に仕事を進める人」かもしれませんが、積極的に仕事を進める人でも、自分勝手で会社のルールを守らない人だった場合、社内の連携を乱す可能性があります。
人材紹介会社も「数打てばあたる戦法」で、人材をとにかく紹介してくることもあるので、その場合は人材紹介会社を変えるのもひとつの選択です。
母集団形成で「質」を高める方法
中途採用の母集団形成で「質」を高めるために有効な方法は「適性検査」の活用です。
適性検査は採用候補者がもつ能力やスキル、性格などを客観的かつ効率的に評価して、自社が求める人物像に近い人材を見極めることができます。
例えば能力適性検査では、自社が募集しているポジションに必要な能力・知識を有している人材かの判定が可能です。
とはいえ、能力・スキル面は入社後にも育成できるので、こだわりすぎず最低限の基準を設けて柔軟に評価しましょう。
適性検査で特に重視すべき点は、入社後にも変化しづらい「性格・価値観」です。
面接だけでは把握しきれない採用候補者の性格・価値観を客観的に評価することで、会社のカルチャーや部署との相性を検証できます。
適性検査を通じて能力・スキルだけでなく、性格・価値観に焦点をあてて総合的に評価することで、より適切な採用候補者を選ぶことができ、定着率の向上にもつながります。
母集団形成の"質"を高める『ミツカリ適性検査』

弊社では、母集団形成の質の確認に活用できる『ミツカリ適性検査』を提供しています。
約10分の適性検査を、採用候補者と従業員に受検いただくことで、自社に多い人材の傾向などを可視化できます。ここでは、母集団形成に活用できる代表的な機能を3つ紹介します。
相性を数値で可視化
採用候補者と対象のデータを比較することで、会社や部署との相性を数値で可視化できます。選考の段階で自社に合う人材かを客観的な視点から確認することが可能です。

グルーピング機能で媒体ごとの質を確認
受検者のデータをタグ機能でグルーピングすることも可能です。
「求人媒体」「エージェント(人材紹介)」「合同説明会」など、母集団形成の手法ごとにグループ化して、会社や部署メンバーと相性が良かった手法はどこかも簡単に効果検証できます。

今後の採用活動では、どの手法を活用すると効率が良いかを分析することも可能です。
性格・価値観の可視化
受検者の性格・価値観を視覚的に把握できる結果シートも用意しています。
一緒に人物像や適職も可視化できるため、今後同じ職種で人材を募集する際、社内にはどんなタイプが多いのかなど『求める人物像』の参考にもできます。

他にも母集団形成や採用活動に活用できる機能を多数搭載しています。無料トライアルも実施中ですので、気になる方は以下よりサービスサイトや無料の資料をご覧ください。
母集団形成で自社にマッチした人材の採用を!
中途採用における母集団形成は「数を集める時代」から「質を高める時代」へシフトしています。
即戦力の人材確保と定着率向上を両立させるためには、以下を組み合わせることが不可欠です。
- 狙った層に直接届くチャネル
- 質を担保する仕組み(適性検査など)
採用感度の高い企業こそ、短期的な成果と長期的なブランド力向上の両方を意識して母集団形成を進めましょう。
弊社ミツカリでは、母集団形成にも活用できる『ミツカリ適性検査』を提供しています。
約10分の性格適性検査を採用候補者と従業員に受検いただくことで、相性を数値で可視化することや、タグ機能の活用で手法ごとの効果を分析できます。
無料トライアルも実施中ですので、母集団形成の質をより高めたいと考えている企業様は、ぜひ以下よりサービスサイトをご覧ください。

ミツカリ
会社や組織のミスマッチを予測し、早期離職を未然に防ぐ
5,000社が導入し、326,000人が受検した適性検査。応募者の人物像、社風との相性がひと目で分かり、多くの企業で離職率が改善されています。採用面接だけでなく、内定者フォローや採用要件定義など、様々な人事業務でミツカリが活用されています。
これらの記事もあわせて
よく見られています
その他、お客様から評価いただいているポイント

すぐに結果を反映

最小限の受検負荷

現場の方でも使いやすい

貴社に合った人材モデルの作成

業界平均との比較サービス

無料トライアル

改善事例が豊富

高いセキュリティ性
ミツカリサービス資料の他に、人事課題の解決策など
お役立ち資料をご用意しております